そして、あたしに近づこうと足を一歩踏み出したけど
「マコマコはそれ脱がないの〜??」
なんて、ケンケンが少しデリカシーのない発言をしてきたから彼は足を止めた。
なんだ…ふぅちゃんはこっちに来ないんだ。
って、違う違う。
来てくれなくてもいいし、むしろそっちの方が嬉しいから。
「うん、脱がない」
あたしは二人みたいにスタイル良くないし。
「えー、もったいないなー。
でも、俺はそんなところ好きだけどね」
あたしにしか聞こえないような小さな声で言って、あたしの頭を満面の笑みで撫でるケンケン。
「す、好きとか言わないで…」
友達に好きなんて言っちゃダメだよ。
本気にしちゃう子もいるんだから。
「照れてるの?可愛いところもあるんだね」
嬉しそうに笑う彼は全く反省していない様子。
「て、照れてないから…!!」
ていうか、みんなから見られてて恥ずかしいし!!
果歩と京香ちゃんなんてニヤニヤしてるし…!!
ふぅちゃんはめちゃくちゃ睨んでくるし…それを見て金田くんは何故か楽しそうに笑ってるし。
なんか、もうめちゃくちゃだ。
「さあー、もうプール入ろぜ〜。俺、もう干からびちゃう〜」
だけど、金田くんの言葉でみんなプールに入ることにし、ケンケンはあたしから離れた。
ふぅ〜…緊張した。
いきなり、“好き”だなんて言わないでほしい。
嫌でも心臓は反応してしまうから。