「あれ?ふぅちゃんは行かないの?」



「あのさ、お前が俺の財布持ってんじゃん」




果歩たちに聞こえないようにこそっ、と耳打ちしてきたふぅちゃん。



あ!そういえば、今日の朝ふぅちゃんが財布忘れかけてあたしのカバンの中に入れたんだった。




「あー、ごめんごめん」




カバンの中をゴソゴソとあさって財布を取り出して彼に渡す。



もちろん、二人には背を向けて。




「…じゃあな」



「うん。またあとでね」




それだけいうと、お互い更衣室へと向かった。



更衣室に向かう道中に果歩と京香ちゃん二人に「いつの間に?!」とか「どっちにいくの!?」とか色々と質問攻めされたけど上手くかわした。




正直、どちらとも恋する気にはなれないし。