「ほかの男には…すんなよ?」
あたしの下ろしている髪の毛を少し手に取って、そのままあたしの耳にそっと掛けた。
そして、彼の綺麗な顔が耳に近づいてきて……
「勉強、頑張れよ…真心」
耳元で囁かれた言葉とふわり、と柔らかく笑った彼の笑顔にあたしの心臓は破裂寸前だった。
耳には彼の吐息がかかり、ジンジンと熱を帯びていく。
そのまま、ふぅちゃんは立ち上がり自分の部屋へと入っていった。
あんなこと言われた後に真面目に勉強なんか出来るわけないでしょ…!!!
赤みがなかなか取れない顔を片手で抑えながら、もう片方でシャーペンを握る。
そのあとの勉強は全く頭に入ってこなかった。