「あ、ありがと……」
恥ずかしくなって、思わず視線を下にさげた。
「真心…今ドキドキしてる?」
ほら、またそうやって急に下の名前で呼ぶんだから。
やめてよ、まだその呼ばれ方には慣れてないんだし。
「し、してない」
「嘘つきだな、お前」
「なっ…!」
言い返そうと、パッと顔をあげると目の前に綺麗なふぅちゃんの顔がドアップであたしの瞳に映し出された。
「…嘘つく人嫌いなんじゃねぇの?」
「き、嫌いだけど…!」
これであたしがドキドキしてる、なんて言ったらあたしがふぅちゃんのこと好きみたいじゃん…!!
「なら、ほんとはどっちなの?聞かせてよ」
な、なんか話逸れてません…!?
上手いようにふぅちゃんに持っていかれてる気がするんだけど…!!
「し、してるけど……」
「へえ、ずっと俺にだけドキドキしてろよ。」
「っ…!」
だから、あたし!!
甘い言葉に惑わされちゃいけないってば!!
そう思うのに顔と心は正直で…頬は真っ赤に染まり、鼓動は速くなり……ふぅちゃんの言う通りにドキドキしてる。