「別に気にしてない」
「やっぱり、ごめんなんて思ってない」
「はあ?」
いきなりこんなこと言い出したあたしに意味がわからないという顔をしている。
どうしても、気になる。
キミの触れてはいけない過去に。
「あたし、嘘つく人嫌いなの。
嘘ついてたらすぐに分かるし。
だから、ふぅちゃんが今嘘ついてるのも分かってる」
最初は苦手だった。
だけど、今は気になって気になって仕方ない。
これが、何なのかと聞かれれば“ただのお節介”だと答える。
「……お前ってほんと変わってるし、意味不明だな」
ため息混じり言って、あたしの瞳をとらえた彼の切なげに揺れる瞳。
「それがあたしだもん」
「でも、俺はお前のことだけは嫌いじゃないよ」
────ドクンッ…
ほんとにふぅちゃんはせこいと思う。
こんなときにまで、そんなこと言うなんて。
決して、深い意味は無いのに心臓に悪いんだってば。
っていうか、毎回毎回ドキドキしちゃうあたしもあたしだよ。
友達なのに…いや、友達でもないただのルームメイトなだけなのに。