「…なんでそう思うわけ?」
彼はこちらには一切視線を向けずにずっと本を見つめている。
「だって、いつも現国だけは成績いいじゃん」
そう、ふぅちゃんは他の教科は普通なのに現国だけは異常なまでも点数がずば抜けて高いから。
いつも学年トップの点数を取っている。
「聞きたい?」
「教えてくれるなら聞きたい」
「中学のときにめちゃくちゃ教えてもらったから」
「まあ、そんときは国語だったけどな。その名残って感じ?」と言いながら呆れたように笑う彼。
中学のとき……確かふぅちゃんはあたしと同じ県の中学校に通っていたと聞いたことがある。
あたしが住んでいたところの隣街の中学校だったっけな?
「そうなんだ…」
「別に…特別な意味は無いから」
「変なこと聞いてごめん」
ねえ、本心を見せてよ。
その瞳の奥の気持ちが知りたい。
ほんとは、もっと特別な意味があるんでしょ?