「ふぅちゃん、勉強する気ある?」



「…うるせぇ」



「わかんないの?」



「…」



でた、有村スルー!!


しばらく、彼を見ているとノートを閉じてまた現国の教科書を見始めた。


だから、さっきからそればっかじゃん。




「ねえ、いいかげん他の勉強も……」




「しなよ」って言うつもりだったのにその言葉はそっと胸の中に押し込んだ。



だって、今あたしの隣にいるふぅちゃんはその教科書をジッ、と切なげに見ていたから。



ふぅちゃんが読書してるときもたまに切ない表情をしている。



きっと、本人は気づいていないから無意識なのだろうな。




「なんか…現国に思い入れとかあるの?」




聞いてしまった…ずっと聞きたかった。



でも、それは絶対に聞いてはいけない事だと思ってたから言わなかった。



人にあんまり干渉するのは自分が嫌だから。



でも、もう我慢出来なかった。
気になって気になって仕方なかった。