今日はそのペアを決める日。



・・・言わなくてもわかるよね?


そう、卒業する私たちにとって、フォトコンまでいけるか決まる凄く大切なペア決めの日。


女子部員が少ないから、彩耶ちゃんとペアになる可能性は本当に少ないんだけど…


確率がない訳では無い。



だからあんなに心配するのも、無理はない、か。


彩耶ちゃんの私に対する飛びつき方に多少なりとも納得しながら、椅子に座る。






「香央先輩、最後のフォトコンこそ、一緒になりたいですね」


「・・・そうだね、組めたら嬉しいんだけど」




私の横に自然と座る彩耶ちゃん。






「・・・彩耶と香央先輩は無理だよ、彩耶も被写体じゃん」



彩耶ちゃんとは反対側の私の隣に座った男の子。



「ひろくん」

「ひろ!!」



彩耶ちゃんと声が被る。


彩耶ちゃんと同い年の小池大(こいけ ひろ)くん。




「香央先輩は、最初から最後まで被写体。モデルなの!それに憧れて入った彩耶、お前、写真の勉強何もしてないだろ?誰が写真撮るんだよ」



現実を突きつけちゃう大くん。



「・・・ま、まぁ・・・ね?」



とりあえず落ち着けようと声をかけたら…









「・・・うるさいなぁ!これから勉強すればいいでしょ!」



「初心者に簡単に扱えるものじゃねーんだよ、カメラは」



「プライド高いの本当にめんどくさい!できるもん!」



「はぁ?!無理だ無理!」








あぁー・・・




言ってる間に。




お決まりの喧嘩が、始まっちゃった。