「抱、き、つ、く、なっ!!」





思いっきり
引き剥がして、

鳩尾に一発・・・




かましてやろうと
思ったのに、

スルリと避けられた。









「危ない、危ない」




なんて抜かしたこと
言いやがって。


次は、顔面に
思いっきり一発やってやろう。













「俺のこと、
そんなに嫌い?」



「嫌いに決まってる。」






コイツなんかに
見向きもしないで、

私はスタスタと歩き出す。









「そんなこと言っちゃって。

特別な関係って
言えば良かったじゃん」




もう一度、
私に抱き付いて

耳元で囁く。







周りの女の子は

「キャッ!」とか
言ってる。







また、誤解を
生むようなコト

言ってさ、


私がどれだけ
迷惑か知らないわけ??












「はいはい、


そんなセリフ、
私に言わずに早く彼女を
作ってから言えば?」




「なんか坂下サン、
怒ってます?」





こうやって
ご機嫌を伺う時は

「坂下さん」って呼ぶ。






こっちは、
廉のせいで

大大大、迷惑なのに。



怒るのは当たり前でしょ。







「当たり前でしょ、
チョー迷惑してるんだから」








なんて、
プリプリしてるのは



坂下 彩乃(サカシタ アヤノ)


一応、これでも
廉の幼馴染です。