歩道を数歩、歩き出した時。手にした携帯が震えて着信を知らせた。
相手はタキさんだった。

「もしもし?どうしたの?タキさん・・・」
あまりに不意の出来事だった。

「渡し損ねたモノを私に来たよぉ(笑)」
笑って、タキさんは一言云うと、電話を切った。


誰かが私の後ろから、駆け寄って来た。


ずぶ濡れになった、タキさんだった。


スローモーションのように、見えた。


「バイクでさ、追いかけちゃったからさ(笑)」

「これ渡し損ねた、モノ!」
云いながら、タキさんは私の頬へキスをした。

ずぶ濡れの、タキのくちびるから雨の雫がキューピッドの矢のように伝って、マミの頬を濡らした。


「マミちゃん、ちょっと故郷に挨拶したら、一緒にトウキョウへ帰京しようか!」
タキさんは、キスをしてくれた後、私を抱き寄せて、笑った。


終わり


読んでいただいて<(_ _)>有難うございます。


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