南くんが食器を洗って、私がふきんで拭く。
二人で並んでそんなことをしていると、なんだか一緒に暮らしているみたい。
なんだかちょっと恥ずかしくなってきた。
なんか話さなくちゃと思う。
「今日は南くんは仕事じゃないの?」
「今日はオープンして、初めての週末だからな。どんな感じか、お客さんたちに混ざって歩いてみようと思ってる。」
「あ、そか。今日はレストランに家族連れやカップルとかも来るかもしれない。
なんかワクワクするね。」
「お前も一緒に下に行くか。」
「え!」
「興味ないのか?」
「ううううん。 なんかデートみたい。」
「・・・俺は仕事だ。」
南一徹はあのいつもの怒った表情をする。
でも、私はなんか嬉しい。
私は、にやにやがとまらない。
横で、彼は冷たい目で見下ろしてくる。
「ほら、さっさと拭け。」