朝起きて、横に花がいる。
キョトンとしたような目で俺を見上げる。
きっと、なんでこんな状況になってるんだ?って思っている。
ああ、なんだこれ。この幸福感。満たされた感じ。
ヤってもいないのに、おかしいんじゃないか?
だって、久しぶりにぐっすり寝た。
花が横にいて、そのぬくもりが心地よかった。
ここは、上の方の階だから、日当たりが良い。
遮光カーテンもひいていないし、朝日が昇ると共に目がさめる。
俺は、どうしていいかわからず、花から目をそらしベッドから出る。
「フロ使いたかったら、使えよ。」
花はコクっと頷いて、バスルームへ行く。
その後ろ姿を見て、このまま一緒に住むことができたらどんなにいいだろうか、と思う。
せめて、それなら誓ってあんな乱暴な事はしない。
ごめん。花。
昨日はごめん。
それさえも、俺は彼女を目の前にして何も言えない。