「頭イタ……っ」
昨日のお酒入りチョコでそのまま眠ってしまったトッドは
頭痛とともに目を覚ました。
「シーナ、おはようございます」
「おはようございます……」
朝食の準備をしていたシーナが振り返るとその表情は暗く
トッドは目を丸くする。
「…なんて悲壮な挨拶…。あの、僕昨日チョコレート食べてから後の記憶がなくて…シーナ何か」
「うっ…」
「う?」
「うわぁぁぁぁぁん」
シーナは大粒の涙を流し号泣した。
「シっ…シーナ!?」
トッドは頭痛も忘れ思わずシーナに駆けよる。
「うぇぇ…んっ…うっ…うぅっ……」
「これまた…豪快な泣きっぷりですね。まったく、あなたは本当に無邪気といいますか…急に泣くと心配してしまうでしょう?」
「うぅ~~」
「お料理してたと思ったら、泣きべそかいて工房に来て、指切って大騒ぎ。今日にいたっては、何が何だか分かりません。困ったものですね」
「だってぇ~……」
トッドは自分の服の袖口でシーナの涙をぬぐう。
「はいはい、涙拭いて。呼吸整えて。ニッコリして」
「……っ…ひっく……出来ませんよ…」
「いつも出来てるでしょう?何があったか分かりませんけど…僕の1日の始まりは今や、
シーナがニッコリ笑顔でおはようって挨拶してくれる事から始まるんですから。
あーんなこの世の終わりみたいな表情で朝の挨拶されたんじゃ僕の1日どうなる事やら。」
「ごめんなさい」
「違います、おはようっ、ね?」
「っ……」
シーナはぐっと唇を噛みしめてしばらく俯く。
「シーナ、おはようございます」
「おはようございます!」
シーナはニコリと笑顔で挨拶を交わす。
「上出来です。さ、朝ご飯いただきましょうか…」
ジリリリリーーーーーーーーー
突然家の電話が鳴る。
「僕が出ます」
トッドは廊下に出た。
シーナは引き続き朝食の準備を行う。
数分後、トッドが戻ってきた。
「シーナ、とてもいいニュースです」
「なんですか?」
シーナは朝食をテーブルに並べ終えると、トッドに駆けよる。
「いま、シーナの学園からお電話をいただいてですね。
なんと、シーナをスカウトしたいっていう職人が学園に連絡をしてこられたそうなんです!」
「え・・・・」
「念願の職人の右腕ですよ、シーナ!」
「ちょっ・・ちょっ・・と待ってください!そんな、私」
「そうですね、突然のことに驚くのも無理はありません。
いやぁ、でもよかった。ちゃんと職人の右腕になれる道が見つかって
今日はお祝いしないといけませんね!
あ、詳しい日取りはまた追々連絡をと学園が」
「待ってくださいトッド!!」
シーナは怒鳴る。
「・・・・・シーナ?」
「どうして?どうしてそんな連絡がここにくるんですか?」
「・・・実は、シーナがここに来る前に。学園の先生とお話ししたんです。
私は、職人ではありませんし、求人もリリィさんが無理を言って頼んでくれたみたいなんです。
だから僕、シーナがここに来てからも学園にシーナを職人の右腕として
雇ってくれるところを探してくれないか頼んでいたんです。
学園の卒業生のシーナには、やっぱりちゃんと職人の右腕になってほしいと思って」
「・・・・・・・・」
シーナの瞳からは再び涙がこぼれる。
「どうして、そんな悲しい顔をするんですか・・?」
「こっちが聞きたいです!どうしてそんなに嬉しそうなんですか!
どうしてそんな大事なこと隠したりしてたんですか!
どうして私の幸せを勝手に決めるんですか!
こんなの・・こんなの酷すぎます!あんまりです!」
「シーナ!?」
シーナは泣きながら家を飛び出していった。
「シーナ……」
家を出て追いかけようとする足が止まる。
ドアノブに手をかけ、そっと離した。
昨日のお酒入りチョコでそのまま眠ってしまったトッドは
頭痛とともに目を覚ました。
「シーナ、おはようございます」
「おはようございます……」
朝食の準備をしていたシーナが振り返るとその表情は暗く
トッドは目を丸くする。
「…なんて悲壮な挨拶…。あの、僕昨日チョコレート食べてから後の記憶がなくて…シーナ何か」
「うっ…」
「う?」
「うわぁぁぁぁぁん」
シーナは大粒の涙を流し号泣した。
「シっ…シーナ!?」
トッドは頭痛も忘れ思わずシーナに駆けよる。
「うぇぇ…んっ…うっ…うぅっ……」
「これまた…豪快な泣きっぷりですね。まったく、あなたは本当に無邪気といいますか…急に泣くと心配してしまうでしょう?」
「うぅ~~」
「お料理してたと思ったら、泣きべそかいて工房に来て、指切って大騒ぎ。今日にいたっては、何が何だか分かりません。困ったものですね」
「だってぇ~……」
トッドは自分の服の袖口でシーナの涙をぬぐう。
「はいはい、涙拭いて。呼吸整えて。ニッコリして」
「……っ…ひっく……出来ませんよ…」
「いつも出来てるでしょう?何があったか分かりませんけど…僕の1日の始まりは今や、
シーナがニッコリ笑顔でおはようって挨拶してくれる事から始まるんですから。
あーんなこの世の終わりみたいな表情で朝の挨拶されたんじゃ僕の1日どうなる事やら。」
「ごめんなさい」
「違います、おはようっ、ね?」
「っ……」
シーナはぐっと唇を噛みしめてしばらく俯く。
「シーナ、おはようございます」
「おはようございます!」
シーナはニコリと笑顔で挨拶を交わす。
「上出来です。さ、朝ご飯いただきましょうか…」
ジリリリリーーーーーーーーー
突然家の電話が鳴る。
「僕が出ます」
トッドは廊下に出た。
シーナは引き続き朝食の準備を行う。
数分後、トッドが戻ってきた。
「シーナ、とてもいいニュースです」
「なんですか?」
シーナは朝食をテーブルに並べ終えると、トッドに駆けよる。
「いま、シーナの学園からお電話をいただいてですね。
なんと、シーナをスカウトしたいっていう職人が学園に連絡をしてこられたそうなんです!」
「え・・・・」
「念願の職人の右腕ですよ、シーナ!」
「ちょっ・・ちょっ・・と待ってください!そんな、私」
「そうですね、突然のことに驚くのも無理はありません。
いやぁ、でもよかった。ちゃんと職人の右腕になれる道が見つかって
今日はお祝いしないといけませんね!
あ、詳しい日取りはまた追々連絡をと学園が」
「待ってくださいトッド!!」
シーナは怒鳴る。
「・・・・・シーナ?」
「どうして?どうしてそんな連絡がここにくるんですか?」
「・・・実は、シーナがここに来る前に。学園の先生とお話ししたんです。
私は、職人ではありませんし、求人もリリィさんが無理を言って頼んでくれたみたいなんです。
だから僕、シーナがここに来てからも学園にシーナを職人の右腕として
雇ってくれるところを探してくれないか頼んでいたんです。
学園の卒業生のシーナには、やっぱりちゃんと職人の右腕になってほしいと思って」
「・・・・・・・・」
シーナの瞳からは再び涙がこぼれる。
「どうして、そんな悲しい顔をするんですか・・?」
「こっちが聞きたいです!どうしてそんなに嬉しそうなんですか!
どうしてそんな大事なこと隠したりしてたんですか!
どうして私の幸せを勝手に決めるんですか!
こんなの・・こんなの酷すぎます!あんまりです!」
「シーナ!?」
シーナは泣きながら家を飛び出していった。
「シーナ……」
家を出て追いかけようとする足が止まる。
ドアノブに手をかけ、そっと離した。