その表情に俺の心にもズキときたが、このみの身を守るためにそれを無視した。
「……じゃないもん」
「……え?」
今度は聞き取ることがができなかった。そんな俺にこのみはキッと睨みつけて口を開いた。
「この気持ちは……この想いは嘘じゃないもん!私はちゃんと志樹のこと好きだもん!なのに……」
そう言って口を閉じ俯いた彼女に、一瞬いっそ本当の事を全部話してしまおうかなんて考えたがやめた。
もし仮に付き合ったとしても、俺のいない所でこのみの身に何かあったら俺は一生自分を許せなくなる。
「ごめん…」
「……っ。志樹なんて…志樹なんて…大っキライ!!」
プツンと何かが弾けるような切れるような予感がしたのと同時に、このみは走って公園から去っていた。