か細かい声だったが…運良く公園には誰もいなかったため聞き取ることが出来た。


「このみ…」


「志樹がすきなの…。たぶん志樹にとって私は妹みたいな存在かもしれないけど…すき…」


妹だなんて一度もそんな風に見たことはない。いつでも女として意識してた。だけど……



(今は………ムリなんだ)


さっきの出来事のせいでまだ混乱していた。とりあえず俺の正体は隠しとかなくちゃいけないってことだけだ。


だから俺はこいつを守るために…


「俺も好きだよ。でもお前の好きと俺の好きは違う。それにこのみ、それは恋じゃない。ずっと一緒にいたから恋と間違えてるだけだ」


俺はどんな顔をしたこんな事を言ったのだろう。目の前にいるこのみの瞳には涙が流れ落ちていて、傷ついた表情をしていた。