「この事は雅人や光里さん、このみさんには他言無用でお願いいたしますね」



そう言って家を後にした。



「クソっ!」



ゴンッ!と拳で壁を思いっきり叩いた。ジンジンと痛む手がこれは現実だと思い知らせてくれてる。



プロジェクトか…本格的に始まるのは1年後。もう俺は大学を卒業している。



もう就職先は決まってる。っていうか勝手に決められた。



母さんの兄、幸永さんが今大学を開校する為に建てている。


俺はそこで教師をするつもりだ。だけど…



「仕事との両立が出来るかどうかだ」


そんなこんな考えてる時に、リビングから出て行ってた母さんが戻ってきた。



「志樹?このみちゃんが来てるわよ」