このみをダシに俺を速水家を継がせる気か。


「条件はなんですか」


「あら、話が早くて助かります。私は貴方があの子との結婚は望んでいません。ですが、もし許してほしいのなら……」



俺はポーカーフェイスで表情を保ち、お祖母様を見つめていた。



「1年後、『ルア』が新プロジェクトの計画を立てています。大学卒業後、そのまま就職しても構いません。ですが、そのプロジェクトを貴方にやっていただきます」


「俺は服のことなんか分かりませんよ」


それは5年間監視したお祖母様が一番よく知ってるはずだ。



「ええ、それは分かってます。今回のプロジェクトは服に関することじゃありません。もし引き受けるなら、後ほどプロジェクトの詳細データをお渡しします」