そう言われた母さんは夕飯の支度をしていた手を止め、リビングを後にした。
「なぜ母さんを追い出したんですか」
「今から話すことは、光里さんには聞いてはいけないことだからよ」
母さんが聞いちゃいいけない話?一体今から何を言うつもりなんだ。
「貴方が政略結婚が嫌だと分かりました。ですがあの子は特別なんでしょ?」
「!!」
まさか……
お祖母様の口角が少し上がったのに俺は見逃さなかった。
「言ったでしょう、貴方をずっと監視していたと」
「このみに何をする気ですか…」
「今は何も危害を加えたりはしません。でも貴方の返事次第ですけど」