「麻里子さん、もう少々お待ちくださいませんか?」


「構いませんよ」



母さんの友達じゃないな。じゃあ父さんのか?


ソファーに腰掛けてる正体不明の来客。母さんに誰なのか聞こうと口を開いた瞬間…


「はい、志樹。これを麻里子さんのところに持って行って」


「なんで俺が…」


「麻里子さんはあなたに用があるのよ」



(はあ?俺に用?初対面の俺に用っておかしくないか?)



「大事な用事だから、ちゃんと麻里子さんの話を聞くのよ。あ、あと心の準備をしとくのよ」



心の準備?なんでそんなことが必要なんだ?


母さんから言われた言葉に理解が出来なかった。