ガチャとリビングのドアを開けて中に入った俺は、家へ帰ってくるようにと呼び出された張本人、母さんの姿を探した。
視線を動かしていた俺は、あるところで止まった。
止まった目線の先には、ソファーに腰掛けてる見覚えのない多分50代ぐらいの女の人がいた。
(誰だあの人は…?)
目線はその人を見つめたまま、入り口前に突っ立っていた俺にキッチンから声がした。
「志樹、なにそこで突っ立ってんのよ。こっちに来て手伝いなさい」
そういわれた俺は視線をキッチンにいる母親の方へと移した。プラス睨みつけた。
「……ああ」
ソファーに座ってるおばあさんを残し、渋々とキッチンへと向かった。