謙也さんの私室に着いた俺たちは、美琴はノックも無しにドアノブに手をかざし扉を開けた。


「兄貴ー?」


「美琴……ノックくらいしろよ」


後者に発された言葉は俺じゃなく、謙也さんだ。



それもそうだ。ノックも無しにドアを開けた先には…高級感溢れるソファーに座ってる謙也さんと、謙也さんの膝の上に乗ってる上半身裸の女性がいた。


つまり謙也さんは今その女性と"お楽しみ"をしていたのだ。



(兄弟揃って女たらしって……)



女性は顔を真っ赤に染めながら、乱されていた上半身を慌てて整い「失礼します」と告げ部屋を出て行った。