はぁ、だっるい
結城さな。17歳。高校3年生
今日は始業式
入学してから今まで私には彼氏も友達もいない。でも別にいい。
私はもう行く大学も決めているし
判定だってAをもらってる。
やりたい職業が特にあったわけじゃないけど私は先生になることを決めていた
理由はない
公務員になれればよかった
ただそれだけ。
キーンコーンカーンコーン
『全員体育館に集合してください』
はあ、ほんと憂鬱
まあいっか。
午前で終わりだし
その後はバイトなんだけどね。
長い校長の話が終わる。
『次に新任の先生を紹介する』
「城西蓮斗です。僕は今年先生という立場になったばかりで至らないところがたくさんあると思いますが、よろしくね」
キャーーーーー!!
体育館には黄色い歓声
ステージを見上げると
かっこいいかも、
私ですらそう思った。
焦げ茶色の髪を無造作にセットして優しそうで可愛い顔をしている。
城西先生…か。
始業式も終わり
クラスに戻る。
センター試験や受験に備えてクラス替えも無く
先生も変わらないだろうなぁと思っていた
ガラッーーーー
キャーーーーー!!
ほんとかっこいい!
ラッキー!
やばいほんとに???
クラスの子たちの声を聞いて顔をあげる
あ、城西先生…だ。
「黙って席つけお前ら〜」
そう言ったのは3年間私の担任をしている佐倉先生。体育の先生をしている。
私は佐倉先生にだけは心を許してる気がする
「は〜い先生質問です」
くらすのおちゃらけてる男子が言った
「なんだ〜」
「なんで先生が3人もいるんですか〜?」
「いいから黙って聞いてろ」
う〜怒られてやんの〜との声にクラス中から笑いが起きた
「じゃ、まずは副担だ。去年と変わらず池田先生な」
池田先生はかるく頭を下げた
池田先生はほんとに無愛想。
副担と言ってもほんとにこれっぽっちも喋らない美術の先生。私は専攻していないから口を聞いたこともない。
「次、お待ちかねの新任で副担である城西先生だ!」
待ってましたと言わんばかりにクラスの子たちが城西先生に集中する。
「はじめまして。今日から3Aの副担を務める城西蓮斗です。よろしくな。僕はちなみに数学の先生だから。」
「城西先生しつもーーーん!」
「彼女はいるんですか?」
「好きな人は??」
「何歳ですか?」
いろんな質問が飛び交った。
先生は
いない
いない
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それだけ答えた。
「実は池田先生が二ヵ月後に留学することになったので3Aの副担が2人なんだ。よーし、ホームルーム終わり。気おつけて帰れよ」
ホームルームが終わったと同時に城西先生は囲まれた。
すっげぇ人気だな。
バイトまで時間あるし、いつもの屋上でタバコすって帰るか。と思い屋上へ向かう。
別に私は素行不良な訳では無い…と自分で思いたい。
卒業するまできっとひとりぼっちなんだろうな。