「よし そろそろ行こうか 傷大丈夫? 病院行く?」

先生が立ち上がる

「大丈夫だよ こんなの」

「ほら」

先生が手を差し出した

この前とは逆だ

私は急に前のことを思い出してしまった

「1人で立てるから…」

また床ドンなんて勘弁だわ

私は立ち上がったけど上手くバランスがとれず前に倒れそうになった

「おっと… ほら大丈夫じゃないじゃん」

それを先生は優しく受け止めてくれた

先生を近くに感じる

なぜか離れたくなかった

私は先生の袖口をギュと掴む

「怖かった…」

私はボソリと呟いた

弱音なんて吐かないのに…

いや、これは弱音じゃなくて本音だ…