文化祭2日目
あたしは昼過ぎに来た


「おはよ」


あたしの姿に嬉しそうにしながらも
2人は近づいてきた


「ちひろ~?昼すぎてるよ」


「ねえ!バンド!!見に行こ!」



面倒くさかった。
でも、ちゃんと来たからいいでしょ


楓はバンドを見たいらしく
早く早くとあたし等を急かす



体育館には人が大勢集まっていた
梅雨だっていうのにみんな密集してるからムンムンしてるし


突然、スポットライトが
舞台を照らし演奏が始まった。



それと共に女子の黄色い歓声が
体育館中に響く


…うるさ。
壁にもたりかかり楓を見ると
真剣な眼差しでステージを見ていた


あー、そっか
楓の夢、歌手だったっけ。


そんな事を思い出して
あたしもステージの方向に
目をやった。