今にも壊れそうな扉を開けると 生ぬるい風があたしを迎えてくれた 「文化祭なんて嫌いだ」 そう呟き コンクリートの床に寝転がった。 6月だというのに晴れていた。 でも、ムシムシしていた。 制服の内ポケットから スマホとイヤホンを取り出す。 無意識に手が動いて あの曲を流していた 松田先生の車で聞いた あたしの大好きなあの曲を