ブッブー
クラクションの音が鳴り響く
あれは松田先生の車だ



「まっちゃ~ん!!」



窓を開ける松田先生。
あたし達は車に近づく



「うるせぇ、さっさと乗れ。」



なんか不機嫌な松田先生
それを見かけた舞が咄嗟に口を開いた。



「もう、怒らなくてもいいじゃん、
めんどくさいなあ、まっちゃんは。」



「だから俺が着いて行こうかと言ったはずだ」


それじゃぁさっき電話で怒っている声の主は松田先生だったんだ


2人が後部座席に乗ったから
あたしは渋々、助手席に乗りこむ


ドアを開けると
あのシトラスの匂いがした─


「お前ら、家どこだ」


前を見ながら器用に
話しかけてくる


「ウチは佐々木ん家の近く」


「楓は、青山駅のところでいいです」



松田先生はそれを聞いて
あたしをチラッと見てから


「遠藤、竹内、木下の順で送ってくからな。」



そう言い、車を走らせた。