「あのね」


小さな公園で
楓は話し始めた。



「あたしさ…」



モジモジしてる楓



「言いたくなかったら無理し「違うの!ちゃんと言うよ」



ガッと手を掴まれた。



「夢があるんだよ、楓。…歌手になりたいんだ」


恥ずかしそうに話す
キラキラした目で


「歌手てさ、すげえじゃん?人に歌を披露してよ、その歌聞いた人たちは…勇気とか貰えるだろ?!だから楓もなりたいな、って」


いいな、みんな夢があって
あたしは何も考えてない



「楓、楓ならなれるよ。きっと
…ようやく話してくれたね」


え?という顔をする楓


「ごめん、楓、何か悪いことしたかな千尋に」


「ううん、そうじゃないの
本当は、辛そうな顔をしてたの気付いてたんだ。でも、話してくれなかったからこうやって話してくれて嬉しいの」



涙が出そうだった
自分に話してくれたことが
ものすごく嬉しかった


「…恥ずかしかったんだ。舞は中学から一緒にいるからなんでも話せるんだけど千尋は最近じゃん?だから引かれないかな、って」



あたしの顔をちゃんと見て
それでもはにかみながら
言ってくれた。


「引かない。応援するよ」



「ありがと、帰ろっか!」



夕焼けが
キレイだった


あたし達は
話をしながら帰った。