カノン様お気持ち鎮めてくださぃね。
晃司さんもですよ?』


まぁ…ミュウがいうならという表情でカノンは、大人しくリビングへ向かった。

『晃司さんも…らしくないですよ?ミルクティー入れましたからみんなで、飲みましょう?』

いつの間にか、腕の中から摺り抜けたミュウは手を引いてリビングへ促す。


普段中々手も繋げないのに、さりげない温もりにまた、ちょっと緊張をしていた。


ったく…そんな無邪気な顔で話しかけないでくれますか?(涙)



何と無く、気まずいながらもどっかりと、ソファーに腰を降ろしミュウ特製のミルクティーを口にした。


なんとも言えない、ふんわりとした甘さが広がる。


「うまいなぁ」

毎回その一言を楽しみにしているようで、その言葉を聞くまでは大福を食べずに待っていた。


さっきまで、ご機嫌斜めのカノンは、黒猫の福助とシロネコのモネとじゃれていた。

「なな。ミュウ?モネってずっとこのまま?」


『100年は封印が解けずモネはこのままですね。』

そうなんだ。
よっぽど強力なんだなぁ。

「まさか…もう、福助の中にミカエルはいねぇだろうな?」

黒くふかふかした、福助をひょいと抱き上げた。

みゃーと短く声を上げると、スルリと腕から擦り抜け、ソファーで軽く伸びをして丸まりだした。

『多分…いらっしゃらないかと…私にもミカエル様の気配は滅多に掴めませんから』