ズイッ



次に音羽が前に出て、私達を背中に隠す様にして男の人達に向かって話した。



音「どうも、ありがとうございます。しかし、あなた達のようないかにも怪しそうな人達と食べるわけにはいきませんから。結構です。それじゃあ。」




音羽は私達の手を取り、歩き出してしまった。



「音羽ちゃん!?ちょっ、早いよ...!」




そう言っても、音羽はどんどん進んでしまう。




?「いやっ、ちょ、待って!」




さっきの人とは違う人が言った。




音「何ですか?もう、いいですってば。他のところで食べるんで。」




来「ちょっと音羽落ち着きな!この人たちの話を聞こうよ!それに、手が痛い。」




音「あっ...ごめん...。」




音羽はしゅんとして私達の手を離した。




「私は大丈夫だから。ありがとう。」




音「う...うん。」



さて、この人たちと話さなちゃね。



フゥー。



深呼吸をして、震えを抑えてゆっくりと話し始めた。



「あの...私達に何か用ですか?私達、あなた達のような人は知らないのですか。」




?「あぁ。急に話し掛けてごめんね。ただ、席に困っているようだったから譲ってあげようと思って。言い方が悪かったよね。」




1番右に座っている人はそう話した。



なんだ、悪い人では無さそう...。



音「それは、ありがとうございます。でも、なんで、そんな明らかに怪しそうな恰好してるんですか?女の子がそんな人達に話しかけられたら疑うに決まってるでしょう?」




?「いやぁー。色々事情があるんだよ。ほらっ。」




そう言って、彼らは一斉に変装を解いた。






音・来「「キャー♡♡!!!」」



うわぁー。


あれだ。



俗で言う、イケメンってやつかな?



音「うそっ!めっちゃイケメンじゃない!さっきは威張ってごめんなさい!一緒にご飯食べさせてください!」