彼には彼だけの絶対的な世界があって、その世界につづく扉のカギは、彼ひとりが所持している。
――体育館の出入口付近にある自販機前。
二年B組小鳥遊秋は、お金を入れたっきり次の行動に移る気配がない。
ちなみに彼はNo.3だ。
通称:秋さん
少しして、彼の細く美しい指先が押したボタンは、いちごオレ。
クールな彼には、意外にも“甘さ"が存在するようだ。
飲み物だけじゃなく、彼から香る匂いですら、甘い。
バニラみたいな単純でキツい人工的な甘さじゃない。
もっと自然で優しい、甘すぎない甘さ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…