―緩くウェーブした少し長めの髪を、繊細な指先でかるくはらう。 すでに彼の意識は、現実世界に戻ったらしい。 栞をはさむことなく本をとじると、静かに立ち上がり桜の木を見上げる。 その瞳は澄んではいるけれど、特になんの感情も読み取れない。 哲学系かファンタジーか、それともそのどれでもないのか。 桜の花びらが散る姿が美しいのか、儚いのか。 彼にちかい答えは... 観察結果 桜庭凛は、いろんな内面を持ち合わせているようだ。