彼はなぜ、こんなにも世界を遮断するのか。


 その長いまつげに縁取られた瞼をとじて。

 白い、自分だけのお城をきずいて。


彼はなぜ、完全に世界を遮断しないのか。


 白いカーテンは、風で揺れている。

 彼が眠るベッドは、太陽の木漏れ日がいちば ん降り注ぐ場所。

 扉のカギを掛けてしまえばいい。




――彼が望むのは、
     “独りの自由"か“ヒトとの共有"か。


観察結果

如月碧には、自分だけのテリトリーがある。
だが、それが彼の居場所と言えるかは謎。