いつからだろう…アリサのあの、くるくるした黒髪に気軽に手を伸ばせなくなった。




俺はーー…



『田中』の表札をスッと一回なでた。


砂とホコリが指先につく。



バチャン。



俺はアリサの部屋の隣の自分の部屋のドアをあけて、入った。


すれ違いの始まりはここだったーー…