「アリサが大人になったら、俺を助けて。うんと、遠くに。一緒に逃げて。」

母さんに見つからないくらい、うんと遠くに。

ごめんね、母さん。
でも、それまでは母さんの幸せ奪った責任をもっていくらでも殴られてやるよ。

この約束があれば俺は頑張れる。

「それまでは…?」



「バカだなぁ、アリサ。べつにどうってことない。だから、それまで、俺頑張るから。とにかく、他の人には言わないで。」



「わかった。私たちが大人になったら、どこか遠くに行こう。」


アリサは俺の真剣な目を見て、しぶしぶ頷いた。