アリサは先ほど貯金箱から出したお金をぴったり2400円数えて駅員の前に置いた。



「たまげたなぁ。ほら、切符。帰りも使うから無くしちゃダメだよ。次に2番線にくる電車で“海浜西公園”って駅で降りたらいいよ。」


「ありがとう、おじちゃん!ほら、コウちゃん行こう!」


正直、アリサの行動力には目を見張るしかない。


俺らは2番線に滑り込んできた電車に乗った。



電車の中では二人とも無言だった。



べつに沈黙が気まずいような仲でもない。