はい、と渡されたのは錆びた鉄パイプ。

確か大家の中村さんが駐輪場の一部が老朽化で壊れたって嘆いていたっけ。

これはその破片というところだろう。

「割るの?これを?これで?」

「うん!」


「マジで?」


「マジで。」


アリサは、有無を言わせない顔でニッコリする。


俺は覚悟を決めて、軽く鉄パイプを叩きつけた。