「茜は彼氏いないの?」
『いないよ~。』
「こいつがいるわけねーじゃん、なー茜。」
「悠生ひっでー。あははは。」
悠生がこんなことを言ってくれたことにこの時は感謝した。このまま恋バナなんかしたら身が持たなかった。
「悠生ー、ジュース。」
「あ!茜、チャリのかごん中~。」
『え~。』
「茜ちゃ~ん。」
『きも~い。』
なんて言いながら私はしぶしぶ悠生が自転車に忘れたジュースを取りに行った。
『ふぅ~、疲れた~。』
私がドアに手をかけた時、話し声が聞こえた。
「…好き…んだよ…。」
私は立ち止まって聞いてしまった。
「俺、茜が好きなんだよね。」
え?どういうこと?
気のせいだよね。私は忘れたくて何もなかったかのように陸の部屋に入った。
『はい!持ってきたよ。』
「ありがと~う。」
「さんきゅー。茜どっちがいい?」
悠生がコーラを手にしたあと、陸がサイダーとコーラを差し出した。
『こっち。』
「ん。」
陸は私が指を指したサイダーを私にくれた。
やっぱり好きだよ。
ごめんね、悠生。