陸はそれ以上何も言わなかった。
私は何で本音を言ったんだろう、と少し後悔した。
それから少しして悠生が戻ってきた。
「待たせたな、行こうぜ。」
悠生は人の家だというのに、ずかずか階段を上がって、まるで自分の家かのようにドアを開けて入っていった。
「悠生はえーよ。あはは」
私と陸はそんな悠生を笑いながら、後ろから付いていった。
悠生も陸と一緒で不良だった。ピアスは陸より3つ多くて眉毛なんかなくて、髪の毛はシルバーだった。
『お邪魔しまーす。』
私はちゃんと3人分の靴を揃えてから部屋に入った。
「適当に座って。」
3人が丁度いいくらいの狭い陸の部屋。陸の匂いが充満して、もっともっと陸の事を好きになった気がした。
「なー、なんかしゃべれよ。」
『いたっ。』
悠生が私の頭を軽く叩いてきた。
「あはは。じゃぁさ、聞いていい?」
叩かれた私を見て陸が話した。
『いいよ。』
何を言うんだろう。そんなに目を見られたら好きなのバレちゃうよ。