「うん、ここにいるの好きなんだ」
「そっか、でもこんな遅くまでいるのは危ないよ?」


小学生にしては大人びた容姿をしている彼女がずっとここで1人でいるなんて、おかしな奴に狙われたりしないのか、不安になる。

「ふふ、大丈夫だよ。せつの家、近いもん。それにね?ちゃんと防犯ブザーもあるよ」

可笑しそうに俺を見上げて目の前の女の子は笑う。その笑顔は、何故か俺の中心を酷く揺さぶった。



どうしてランドセルを背負った女の子に惹かれたのか、よく分からない。
その時の気持ちはもう今では思い出せなくなってしまった。

ただ、純粋な笑顔を俺に向けてくれる、真っ白な彼女から目が離せなかった。