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結局、叶多に連れて来られた場所は……
「服屋…?」
可愛らしいデザインの物から大人っぽい上品なデザインの服が数多く並ぶ店。
(うわ…私いまジャージ姿なんだけど…完璧浮くよ、ここ…!)
「ちょっと、こんな所に連れて来て何の用よ!私いまジャージ姿でかなーーり恥ずかしいのよっ、そのくらい気遣いなさいよ!」
「だから来たんだろ」
「はぁ?」
相変わらずコイツは言葉が少なすぎ。よく喋るくせに、こういう時だけは理由を話したりしないから私はいつも戸惑うばかり……
(一体何がしたいのよ…?)
「よし、一通り見るか」
「え?何を?」
「…お前、馬鹿だろ」
「は!?」
「服屋に来たんだから、服を見るに決まってるだろ。さすがに今のは引くレベルの馬鹿さだぞ」
(〜〜っ、いちいち腹立つ言い方するな…!これで皆の前では『好青年』とか笑わせるわ)
憤慨した気持ちを何とか抑えようと片手を胸に当てたら、もう一方の手は未だに叶多と繋いだままと気付き、慌てて離す。
「のわっ!?いつまで握ってんのよ…っ」
「あー忘れてた」
忘れてたなんて白々しい!ガッチリ繋いでたくせに!
(……ふぅ。まぁいいや、とにかく早く済ませてビーチの方に戻ろう…)
溜息をつき、渋々と足を進めると、
「お、あれいいじゃん!見てみろよ」
「!?」
またも手首を掴まれ、引っ張られる。