何が何だかわからないまま。
「やった、ありがとうカナ!」
「ああ、サンキュ…」
「う、うん、どういたしまして…!」
チョコを渡しあった、結果。
「あれ、俺のは…?!」
「ヒロのは後よ!」
「え、ああ…そう?」
ヒロは首を傾げているけれど。
私とシュウくんの頭にも、はてなが飛んでいるけれど。
アキは、そんなあたしたちを置き去りにして…
「うん、じゃ!あたしたちはこれで!」
「は?」
シュウくんの腕を掴むと、スタスタと先に歩いて行ってしまった。
「え、ちょっと!アキ?!」
「おい、どうしたんだよ!」
ヒロとわたしが、抗議の声をあげても、届くことはなかった。
ちょ、ちょっと待ってよ。
たしかに、アキに、ヒロが好きだって、何度目かの宣言をしたわけだけれど。
…だからって、こんなにすぐに心の準備ができるわけないじゃない!!
私の頭は大混乱。
状況に、ついていっていない。
しばらくの間、私たち2人は固まったまま。
「…とりあえず、帰るか」
ヒロのその一言で、やっと状況を受け入れて。
「そう、だね…」
2人並んで、歩き始めたのだった。