…ああ、かっこいいなあ。
本当に、ずるいくらい。
ここまで、自分で決めるなんてなかなかしなかったくせに。
大事なときに、自分で決めて。
勝利を、自分の手で掴みにいくなんて…
大きな歓声が、会場いっぱいに響く。
それから相手の攻撃となるが、こちらがガッチリガードを固めて。
そのまま、ヒロたちの勝利となった。
「…ねえ、アキ…」
「ん!なに?!」
興奮しているアキに向かって。
「私………」
……あの人のこと。
楽しそうに、バスケをするところも。
明るく、いつも私を笑わせてくれるところも。
無邪気に笑う、可愛いところも。
本当に本当にかっこいい、真剣なところも。
「カナ!!」
こんなふうに、大きく私に手を振って。
「言っただろ?勝つって!!」
そう、真っ先に私に言ってくれて。
ニッと、得意げに笑ってみせるところも。
あの人の、全部全部が。
たとえ、誰かのものであったとしても…
「……ヒロのことが、好き……!」
大好きで、愛しくて、仕方ないの。