フラつく足取りで階段を上りきったころには、遺体を発見してから1時間経っていた。
そろそろ6時だ。
「お前ら……大丈夫だったか……?」
教室には行かず、大広間のベッドに星奈を寝かせようとしたら、中には先生と夢希がいた。
夢希はソファに座って放心してる。
「俺と海は…」
星奈をソファの上に降ろして寝かせる。
「ありがと……翔耀…」
「大丈夫だ」
「そうか……」
「先生。聞きたいことがあるんですけど……」
海が遠慮がちに言った。
「何だ?」
海は星奈と夢希をチラッと見て
「廊下で話したいです」
と言う。
忍さんの話を聞かせないようにという配慮かもしれない。
「わかった。じゃあ、高松と寺内はしばらく休んでろ」
二人が無言で頷いたのを見て廊下に出る。
「聞きたいことって?」
「忍さんは……地下室の真ん中で亡くなってました」
「あぁ……」
「地下室にはトラップがあったと思うんですが、忍さんがタイルの上に倒れてもトラップは作動してませんでしたよね?」
確かに……。
気が動転してて気づかなかった。
「あぁ。そういえばお前たちの班は地下室に行かされたんだったな。……あの看板を見たってことだろ?」
あの看板とは、地下室の入り口近くにあった、トラップについてのやつだろう。
「見ました」
「あれは嘘だ。引っ掛けなんだ」
引っ掛け……?