「桃花さん!忍さんの居場所知りませんか?」

教室に駆け込み訊ねる。

ざわつく教室内。

「忍……?」

「そうです」

俺と桃花さんのやりとりでざわつきが大きくなる。

「忍行方不明なの?」

や、

「忍って人、さっきトイレ行った人だろ?」

とか、色んな声が聞こえる。

「静かに!まだ何も分からないから全員ここを動くな。わかったか」

先生の指示に、静かになる教室。

「……桃花さん、何か知りませんか?」

「そういえば、授業中に、とある紙を見せてきたわ」

紙…。

「どんな紙ですか?」

「〝これを見つけたらすぐに地下室に来い。予定が変わった。来なかったらお前は死ぬだろう〟って紙。だから忍、トイレって嘘をついて授業を抜け出したのよ」

……地下室…。

「急ごう!」

俺たちは先生を置いて走る。

地下ならさっき行ったから迷いはしないし、螺旋階段1本しかないし。

「ちょ、お前ら行くな!」

先生が追いかけてくるけど、止まらない。