俺は、親戚に引き取られた。

引き取ってくれた夫婦は優しかった。
だけど、壁を感じてはいた。

幼稚園にも行ってないから、同年代の友達はいなくて独りぼっち。

家でも、与えられた部屋に籠って独りぼっち。

夢希だけが一緒にいてくれた。

でも、夢希は卒園したあと、何も言わずに姿を消した。

引っ越したんだと思う。

夢希がいなくて寂しかった。

独りぼっちだった。

小学校では、一人だけ飛び抜けて勉強が出来たからいじめの対象になり、不登校になった。

そんな俺に、引き取ってくれた夫婦は何も言わない。

小6のとある日。

俺は数年ぶりに自分から夫婦に話しかけた。

『華島探偵育成学校中等部を受験したい』

と。