ずっと夢希が好きだった。

だから、夢希が翔耀に想いを寄せていることにすぐに気付いた。

俺の初恋は5才の頃。

相手は夢希。

俺の親は、俺を置いてどこかに行ってしまった。

誰も、行方を知らない。

当時幼稚園に通っていたけど、通えなくなったので、行かなくなった。

同じ幼稚園だった夢希はそんな俺を心配してくれた。

心配してくれた唯一の人間が夢希だった。

『海くん、遊ぼうよ!前まで遊んでたでしょ??』

『もう幼稚園やめたから……』

公園での一人遊び。

つまらなかった。

『幼稚園やめたからって友達じゃなくなるわけじゃないもんっ』

五歳なのにすごい大人っぽくて、そんなところにドキッとした。

そして、純粋な夢希が好きだった。

『海くん海くんっ今日ね、幼稚園でねっ』

って夢希はたくさん話してくれた。