1ヶ月の合同合宿当日。
Sクラスの25人が、華中専用のバスに乗せられ、山梨県へ向かっている。
「華島校長は来ないのかな?」
向かい合わせに座る夢希が言った。
華中専用のバスは、新幹線みたいにバスの座席の向きを変えれる。
「校長も歳だからな。山奥はしんどいだろ」
隣に座る海が答える。
「そーだよね」
そのとき、バスがストップした。
山道を走ってたからトラブルか?
「これ以上はバスで行けないから全員歩くぞー!」
え。
「歩き!?」
「えー!」
ブーイングが起こる。
「10分くらいだから文句言うなって!ほら行くぞ!」
皆はブツブツ言いながらバスを降りる。
俺らは最後尾に並んで歩くことにした。