「お前たち、何してたんだ!」

教室にたどり着くなり、怒鳴られる俺たち。

相変わらず海も星奈も黙り込んでる。

「推理ですよ」

「は?」

「推理。今回の連続殺人の全貌がわかりました。もちろん犯人も」

ザワつく教室内。

花織と凌平の驚いた顔。

「中学生に解けるような簡単な事件なんかじゃ…」

「それが簡単な事件なんです」

たった1つの矛盾点。

それに気づくとスルリと複雑に絡み合った事件が解けていく。

「じゃ、ここでクイズ。忍さんの遺体を見つけたときの矛盾点とは?」

「そうだなぁ。偉そうにしてた花織。答えてみて?」

花織を指名したときの夢希の勝ち誇った顔。

「見つけたときって言われても。私たちは見てないのよ。現場を」

「俺たちが説明しただろ?そのときの状況を詳しく」

わからないのか、悔しそうに花織の顔が歪む。

「答えは1つ」

夢希にはトリックの詳細を伝える時間がなかったからトリックの内容を伝えるのは俺の役目になる。