星奈を信じないとダメなのはわかってる。

でも、心のどこかで〝本当は……〟って思ってしまう。

人として最低だ。

友達を疑うなんて。

それに翔耀だって、きっと星奈を疑ってる。

星奈にかかる疑惑を追い払うためにも、早く真実を見つけなければならない。

思い出すんだ。

忍さんが殺されていたときと、桃花さんが殺されていたときの様子を。

忍さんの遺体があった地下室と、ガラスの時計が置かれていたときの地下室。

何か変わってるものはなかったのか?

記憶を起こしても、変わった点はない。

桃花さんの時は、すでに話したように置時計がなくなってる。

それ以外は何も変わってない。

どうして置時計を持ち去る必要があったんだ?

「翔─」

翔耀にはなしかけようと顔を上げると、翔耀は何かの資料をものすごい勢いで読んでいた。