「そういう鈴原サンこそそのいかにもモテますって顔を似合わないメガネで隠してんの?」



「こっこれは……」


 思はぬ質問に答えられない。きっと言ってもわかってもらえない。


 女子には男子にはわからない女子社会があるからだ。


 それはいつ何の拍子で崩れるかわからないもろい関係だ。それを保っていくのはなかなか難しい。


 気にしなければそれでいい。

 でも、分かったことがある。


 わたしの本当の友達はひとりだけしかいなくて、信頼できる人は三人だけだ。



 懐かしいことを思い出して黙ってしまった私を見て気を遣った久我君は


「まあ、言わなくていいけど。メガネあったってなくったって鈴原サンは鈴原サンだし?俺以外が知ったらみんな手のひら返すどろうけどな」


 と言った。わたしは嬉しかった。顔だけで判断せずにわたしとして接してくれるのはとてもうれしい。

 そして、久我君には言おうか迷うけど、友達やあの人に聞いてから言おうかな。


「今は、まだ言えないけど……いつか久我君には言うね」


 久我君はそっと微笑んだ。